怪盗が好きな話
ブログではあまり書いていませんでしたが、わたしは怪盗が大好きです。
しかしながら、一番推理小説を読んでいた小中学生のときはどちらかというと探偵にハマっていました。まあホームズはあんまり好きじゃないんですけどね。
それもあって、ルブランの「アルセーヌ・ルパン」シリーズはこれまで未読でした。
ルパンといえば、ルパン三世。
平成のアルセーヌ・ルパンは怪盗キッド。
そういう認識です。
古きを知らずして怪盗好きを名乗っていいのか?
そういうわけで「怪盗紳士ルパン」を読みました。
ヤバい!!!
これに尽きます。ヤバかったです。
舐めてました。
古典ミステリの話
いわゆる古典ミステリというのは、最近のミステリをばんばん読んでいる人からすると少し陳腐に感じたりします。
少し前にドラゴンボールは面白くないという記事がバズったりしていました。
「昔の良い作品」はその時代では前衛的だったから評価が高いが、いま楽しむために読むと微妙だったりします。
ミステリの根幹はトリックにあるので、これがより顕著です。
知っているトリックばかり出てくるわけです。
ルパンをミステリに含めるかは微妙ですが、そういうわけで、何か期待をしていたわけではなく、怪盗の歴史を知るために読んでみるか~くらいの気持ちしかありませんでした。
舐めてました。
めちゃめちゃ面白かったです。
『怪盗紳士ルパン』の話
私が読んだ『怪盗紳士ルパン』は短編集です。
ルパン初登場作である『アルセーヌ・ルパンの逮捕』から収録されています。
怪盗の初登場作にいきなり「逮捕」ってつくのヤバくない?好き
初めから展開が早すぎます。
いきなり逮捕!そして投獄!からの余裕の脱獄!
最高すぎぃ……
最初の短編の流れが本当に良い。ワクワクが止まらない。
表紙のイメージから、勝手にルパンは渋いスマートな人というイメージがありましたが、めちゃめちゃ人間臭い若者。
恋をしてフラれたり、ドジって失敗したり。
でも「怪盗紳士」なんですよ……。最高。
あと、ルパン三世をイメージして、ダークなアクションサスペンスみたいに思ってると全然違います。
意外にしっかりしたミステリ(個人の感想です)
心理的なトリックが多いですね。これもまた良い。
最後の話では、ホームズが出てきて対決もします。(これはルブランが勝手に書いたものなのでルパンが当然勝つし、苦笑いしちゃう感じです)
個人的に一番好きなのは『アルセーヌ・ルパンの脱獄』です。
あ、ガンガンネタバレします。
『アルセーヌ・ルパンの脱獄』の話
既に逮捕され、ラ・サンテ刑務所に投獄されているルパン。
「ぼくは好きなときに脱獄する。裁判には出ない」と度々口にします。
ルパンが刑務所の外の仲間との連絡をしていることを確認したデュドゥイ部長はあえてルパンを泳がせて罠にはめようとしますが、これは失敗。
そしてルパンの裁判の初日を迎えますが、被告台に立った男は弱々しい声で「デジレ=ボードリュです……」と名乗ります。
ついに法廷で、デジレ=ボードリュはルパンに身代わりに使われた偽物と断定されます。
そして釈放されたデジレ=ボードリュはガニマールの前で演技をやめ、本物のルパンに変貌します。
あらすじとしてはこんな感じですかね。
はい、最高~~~!!!!
激アツ展開すぎる。ゾクゾクが止まらない。
かなりざっくりまとめちゃってますが、もっと繊細な心理トリックがふんだんに使われています。
とりま読んで!
はあ……最高すぎる……。
なんでこれまで読んでこなかったんだろう……。
基本翻訳モノ苦手ですが、流石ハヤカワ。読みやすかったです。
ということで今日は初めて読んだルパンが面白かった話でした。
以上
コメント